オフィス移転のPM(プロジェクトマネジメント)会社とは、新しいオフィスの計画策定(オフィスの在り方、働き方改革、コスト、スケジュール等)から、意思決定の支援、施工会社への発注、引越し、移転の完了に至るまで、移転プロジェクトを一貫してマネジメントする専門会社です。
オフィス移転のPM会社の支援範囲は会社の種類により様々で、オフィス移転のPM費用は移転の規模だけでなく、サポート範囲に応じて変わります。そのため、各PM会社の特性を正しく理解し、自社のプロジェクトに最適なパートナーを選定することが、移転を成功させる重要なポイントとなります。
この記事では、オフィス移転を支援するPM会社の具体的な種類、オフィス移転を依頼するPM会社の費用の算定方法、PM会社の選び方・選定のポイント、オフィス移転のPM活用事例などを紹介しています。
オフィス移転のPM会社の導入をお考えの方は、「オフィス移転、再構築を成功に導くプロジェクトマネジメント」「明豊ファシリティワークスの発注者支援サービス」のページをあわせてご覧ください。
オフィス移転のPM(プロジェクトマネジメント)会社は、オフィス移転やリニューアルに対してプロジェクト全体をマネジメントしコントロールします。ビル管理会社や施工会社などプロジェクト関係者との調整、プロジェクトの進行管理、コストコントロールなどを行い、計画・設計・調達・工事・引越しといったプロジェクトの各段階で専門性を補完し、発注者の負担やリスクを軽減します。
さらに、働き方改革支援として、新しいオフィスのコンセプトや新しい働き方を実現するための施策を併走して支援する会社もあり、コロナ禍を経て拡大したテレワークや、フリーアドレス化やABWの実現、書類削減・ペーパーレス化への取組に対する支援などを受けることができます。
オフィス移転のPMは、PM会社によって得意分野や支援範囲の広さ・深さが異なるため、自社のニーズに合った依頼先を選ぶことが重要です。例えば、昨今の大規模開発によって建設される大型ビルへの竣工同時移転では、制約の多いスケジュールの中でのテナント側の意思決定期間の確保や概算工事費の策定及び工事見積検証能力など、高い専門性が求められます。
オフィス移転のPM会社について、代表的な依頼先と特徴を紹介します。カテゴリーごとのポイント(特徴)をおさえておくことで、自社に合った依頼先のイメージがつかめます。
オフィス移転のPMを依頼する先としては、家具メーカーやオフィス設計・デザイン会社、不動産仲介会社などのコンサルティング部門や、特定企業の系列に属さない独立系のPM専門会社などがあります。
| カテゴリー |
|---|
オフィス家具メーカー系のPM部門 |
オフィス設計・デザイン会社系のPM部門 |
不動産仲介会社系のPM部門 |
独立系のPM会社 |
会社ごとに具体的なサポートの範囲や得意・不得意分野はそれぞれ異なるため、実際に依頼する際は業務の内容や詳細を確認することが重要です。
オフィス移転のPM会社への発注費用について、一般的な業務費の考え方や算定方法、PM起用による総コストの削減効果などを紹介します。ポイントをおさえることで、実際に依頼する際のPM費用についてイメージを掴んでいただけます。
オフィス移転のPM業務費用の計算方法は、定額報酬や成功報酬などさまざまな形式がありますが、PMの費用は人日単価をベースにした工数で算出されるのが一般的です。
オフィス移転のプロジェクトマネジャーは職位や習熟度によって1日当たりの単価が異なります。担当者それぞれの人日単価に稼働日数を乗じて足し合わせたものが直接人件費となります。この直接人件費に、技術料や間接経費や諸経費を係数としてかけ合わせてPM業務料(PMフィー)が算定されます。
PM業務料(PMフィー)の算定イメージ
| 人日単価 | 稼働日数 | 係数 | 金額 | |
|---|---|---|---|---|
プロジェクトマネジャー |
〇〇〇〇円/日 |
〇日 |
□倍 |
■■■■■円 |
担当技術者A |
〇〇〇〇円/日 |
〇日 |
□倍 |
■■■■■円 |
担当技術者B |
〇〇〇〇円/日 |
〇日 |
□倍 |
■■■■■円 |
合計 |
|
|
|
■■■■■円 |
人日単価で算出する場合、工数や支援内容に応じた体制や人員がPMフィーの変動要因となります。拠点集約といった複雑なプロジェクトや、働き方改革支援など、業務が広範囲にわたるプロジェクトにおいては、PMフィーに対する効果はコストだけでは計れないため、PM会社選定の評価には注意が必要です。
PM業務料(PMフィー)は、支援を受ける範囲、プロジェクトの難易度、PM会社の体制の厚さなどによって変動し、特に期間の長さは費用に大きく影響する傾向があります。以下は、PM業務料(PMフィー)の変動要因とその効果についてまとめた表です。
PM業務料(PMフィー)の変動要因と期待できる効果
| PM業務料(PMフィー)の変動要因 | 概要・期待できる効果 |
|---|---|
支援範囲の広さ |
|
支援の深さ |
|
業務期間の長さ |
|
オフィス移転のPM費用の費用対効果は、どのように考えるべきでしょうか?下記の図版のように、コストコントロールに強いPM会社が参画したプロジェクトでは、各工事に対してコスト最適化が実現し、PM業務料(PMフィー)以上の費用対効果が生まれることもあります。

オフィス移転に際してPM会社を選定する際のポイントとして、PM会社としての事業モデルや得意分野の理解、体制やアサインされるPMの実績の評価、同規模や同業種の実績の有無、PM会社のフィーよりも全体最適も含めた費用対効果の確認の4つがあげられます。
また、PM会社の効果的な選定方法についてより詳しい情報が欲しい方は、PM会社への声掛けから全体の流れや選定時の評価方法などが掴める実践的な資料「失敗しないためのオフィス移転のPM会社選定資料」が、以下のバナーよりダウンロードいただけます。
オフィス移転をPM会社に依頼する際は、その会社の事業モデルや得意分野、立ち位置を理解することが重要です。オフィス移転のPMにはさまざまな会社があり、メイン事業に付随する形でPMを行っている事業モデルの会社も多くあります。
依頼するPM会社の主要事業によっては、価格交渉の際にビル側への価格交渉が効きにくい、公平・公正な条件設定による入札支援が難しい工種が出るなど、発注者の要望と合致しない場合もあるため注意が必要です。
また、会社ごとに得意分野が異なるため、事前に各社の強みを確認して、解決したい内容に合ったPM会社を選定することが重要になります。
評価の際には、各分野の専門家や有資格者の在籍数、働き方改革への対応可否、原状回復支援などまでを含めたプロジェクトのマネジメント力や、価格交渉等のコストコントロール力といった課題解決能力を評価することで、自社の課題に総合的に対応できるPMを選定できます。
オフィス移転のPMを選定する際は、会社だけでなく担当するメンバーも非常に重要な要素となります。プロジェクトに実際にアサインされるメンバーの実績や担当者との相性なども確認した上で、安心して自社のプロジェクトを任せることができるかを判断することが大切です。
業務提案の際の体制図などから、プロジェクトに必要な専門家を含めてチームを組んでいるか、チームメンバーそれぞれに実績があるかといった点で評価することが重要です。
また、プレゼンテーションなどの機会があれば、実際にアサインされるメンバーを確認してみることをおすすめします。
プロジェクト体制図や担当者経歴を確認することで、チームの専門性の高さやメンバーの実績を把握できますオフィス移転プロジェクトは移転の目的・取組み施策・規模・ビル特性などにより難易度は大きく異なります。PM会社を選定する際には、自社のプロジェクトと類似した規模や内容の実績を持っているかを確認することはとても大切で、自社のプロジェクトに適しているか否かを見極める重要な判断材料となります。
サービスメニューや実績などから、業務範囲や自社の規模や課題が近いプロジェクトの実績を確認し、依頼したい内容に適合する会社なのかを判断することが必要となります。
PMとしての具体的な業務を確認することで、自社のプロジェクトに対する適性を判断できます。また、大きなコストがかかる設備についても、設計やマネジメントの対応可能範囲かを確認する必要があります。
PMフィー自体が安くとも、プロジェクトにおけるコストマネジメント手法が不明確な場合、プロジェクト全体コストでは、コストミニマムとならないケースもあります。
PMを選ぶ際は、PM業務料(PMフィー)だけを比較するのでなく、具体的な業務内容や体制、実績、コストコントロール力や交渉力も踏まえて判断することが重要です。
都内4拠点のオフィスを六本木地区、中野地区の2拠点に再編。拠点統合によるコミュニケーションの円滑化、意思決定スピード向上、執務スペースの最適化など、働きやすい環境の構築を目的としたオフィス構築・移転プロジェクトです。事業成長に伴う人員増の中で、組織運営の効率化を拠点集約により実現しました。

エントランス
むき出しの素材感で新しいことに挑戦していく先進性を表現。
工事段階では何度もサンプルとCGを比較し、納得のいく仕上がりにこだわった。

待合スペース
ビルの躯体を活かし、あえてスラブ床とむき出しの天井とすることで、デザイン性と空間の拡がりを確保。

休憩エリア
休憩エリアには、オフィス内にコンビニエンスストアの店舗を導入。発注者・ビル・コンビニエンスストア各々のレギュレーションを調整し、win-winの関係で実現。

役員会議室
会議室の用途・大きさから検証を行い、最適なモニターサイズを決定。

執務エリア
業務効率化のため、各席にモニターを設置(部署によってはダブルモニターを導入)。

休憩エリア
照明の高さ一つ一つにこだわり、あえて一人席を置くことで、クイックな1to1のコミュニケーション機会を醸成。
B工事、C工事のコストマネジメントを経て、当初予算に対して96%でプロジェクトを完遂。

オフィス移転を成功させるには、単なる引越し作業の調整だけでなく、コストコントロールや働き方の変革、複雑な工程管理を総合的に担うPM会社の活用が有効です。自社の課題や規模に合った実績豊富なパートナーを選ぶことで、移転プロジェクトの価値を最大化できます。
オフィス移転でPMを活用するためのポイントは以下の通りです。
オフィス・働き方改革ラボでは、オフィス移転・働き方改革に役立つ知識の提供や、オフィス改善の事例紹介などを行っています。ぜひ、関連記事もあわせてご覧ください。
オフィスの移転・統合や、働き方改革のコンサルティングをご検討中の方は、オフィス・働き方の相談ページよりお気軽にご連絡ください。
サービスページ|オフィス移転、再構築を成功に導くプロジェクトマネジメント
オフィス移転・再構築のプロジェクトマネジメントについて紹介しているページです。事例紹介やプロジェクトの基本構想策定支援や進捗管理、コストコントロールなどについて、詳しいサポート内容をご覧いただけます。
解説記事|オフィス移転の費用・予算とは?~項目、ポイント、事例などを紹介~
オフィス移転に必要な費用や予算策定のポイントについて解説しているページです。内装工事や原状回復費など多岐にわたる費用の内訳に加え、予算オーバーを防ぐためのコストマネジメント手法や、投資対効果を高めた具体的な費用削減事例などを紹介しています。
解説記事|オフィス移転の流れ・スケジュールとは?策定のポイント、事例を紹介
オフィス移転の基本的な流れと、スケジュール策定のポイントについて解説しているページです。構想・企画から設計、工事、引越し、原状回復までの一連の流れやスケジュール事例、PM会社に依頼するメリット、スケジュール遅延・費用の超過を防ぐためのポイントなどを紹介しています。
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