オフィス移転のスケジュールとは、新オフィスの選定、設計・工事、引越し、現オフィスの解約予告、原状回復まで、一連の流れを時系列で管理する計画です。
オフィス移転は多くのタスクが同時並行するため、全体像の把握と綿密な計画がプロジェクト成功の鍵となります。適切なスケジュール管理は、コスト最適化や業務への影響を最小限に抑えるためにも不可欠です。
この記事では、オフィス移転の基本的な流れと、スケジュール事例、スケジュール策定のポイント、PM(プロジェクトマネジメント)・コンサルタントに依頼するメリットなどを解説しています。
オフィス移転の具体的なスケジュール策定でお悩みの方や、複雑なプロジェクト管理を専門家のサポートのもとで円滑に進めたいとお考えの方は、サービスページ「オフィス移転、再構築を成功に導くプロジェクトマネジメント」をあわせてご覧ください。
オフィス移転のスケジュール策定においては、プロジェクト全体の工程と、社内外を含めた検討事項や調整事項に必要な期間を正しく把握・管理し、移転を成功に導くためのプロセスを設定することが重要です。
大まかな流れとしては、まずはオフィス移転目的の明確化と、それを実行するための体制構築、必要に応じて外部オフィスPMの採用を検討し、予算やスケジュール策定を行う「構想・企画フェーズ」、次にデザイナーを選定しデザイン・設備計画や概算コストの算出を行う「計画・設計フェーズ」、続いて施工会社を選定し見積依頼・施工者選定・発注を行う「工事発注フェーズ」、そして最後に工程調整や実際の作業を進める「工事・引越フェーズ」といった順序で進行します。
オフィス移転は、単なる引越しとは異なり、新オフィスの選定、レイアウト設計、インフラ整備、各種工事、オフィスの原状回復工事、関係各所への届出、そしてそれに伴う様々な社内合意形成など、多くのタスクが複雑に絡み合う長期的なプロジェクトです。
オフィス移転では、全体の流れを見据えた多くのタスクを適切な時期に実行する必要があるため、移転期間全体を俯瞰した計画策定が重要です。
オフィス移転のステップのイメージオフィス移転のスケジュールは、規模に応じて変動します。特に大規模なオフィス移転の場合、プロジェクトの規模が大きく関係者も多いため、移転の構想から工事・引越完了まで1年以上の期間がかかることもあります。
以下の図版のように、2018年と2024年の明豊FWの支援実績においてオフィス移転のスケジュールを比較すると、オフィスの面積は半分になっているにも関わらず、プロジェクト期間全体が長期化しています。
このように、オフィス移転では、元々プロジェクトの関係者が多く調整が複雑なことに加え、近年は、人手不足による設計・見積もり期間の長期化や、資材・機器の長納期化といった、供給者側の事情により、プロジェクト期間全体がさらに長期化する傾向にあります。
2018年と2024年の明豊FWのモデルプロジェクトのオフィス移転のスケジュール事例。供給者側の事情により、面積は半分にも関わらず、プロジェクト期間全体が約5カ月程度長期化していますオフィス移転に役立つ、スケジュール策定・検討のポイントを紹介します。
プロジェクトの流れに影響を与える可能性のある様々なポイントを、事前におさえることがオフィス移転のスケジュール策定に役立ちます。
オフィス移転においては、まず目的や概要をとりまとめて機関決定する必要があります。その為には、なぜ移転するのか、どこに移転か、どういうオフィスにするかという概要を整理し、予算、全体スケジュール、プロジェクト推進体制について社内で意思決定する必要があります。全体スケジュールの策定には、目指す働き方の明確化、外部オフィスPMの採否、オフィスレイアウト、デザイン、工事及び家具等の調達方法やそれぞれの検討期間と意思決定期間などを考慮して作成する必要があります。
オフィス移転のプロジェクトは、多くのステークホルダーが関与し、構想・企画段階から工事完了まで様々な意思決定が必要です。スケジュール策定の際には、予算、レイアウト、計画・設計・工事発注といった重要なステップごとに社内ルールで定められた条件や決裁プロセスについて、あらかじめ確認しておく必要があります。承認ルートや決裁期間が曖昧な場合、社内での意思決定が滞り、プロジェクトの遅延に直結します。スムーズなオフィス移転のスケジュールを実現するためには、スケジュール策定時に「誰が、いつ、何をするか」という役割とタスクを整理して、これらの承認プロセスに必要な期間をあらかじめスケジュールに盛り込んでおくことが重要です。
マスタースケジュールの例。各イベントや意思決定のタイミングを踏まえ、クリティカルパスやマイルストンを明確にします
タスクリストの例。プロジェクトのタスクをリスト化し確認漏れや作業漏れを防止できますオフィス移転の計画を進めるにあたっては、オフィス要件整理と適切な予算設定も重要です。
適切な予算設定には、働き方、席数、諸室数などのオフィス要件の整理が不可欠です。オフィス要件が整理されていない場合、プロジェクト途中で予算が超過するケースも多く、無理な仕様変更や意思決定の手戻りが発生するリスクがあります。そのため、オフィス要件の検討期間確保が、手戻り防止につながります。例えば、移転を機に「働き方」から見直す場合は、各種現状調査や従業員へのヒアリング、ワークショップなどを経てオフィス要件を整理することもあるため、その期間をあらかじめスケジュールに見込んでおく必要があります。また移転先選定段階であれば、移転先候補の多角的な比較検討(立地、ビル性能、工事費、レイアウトシミュレーションによる要件実現度など)もオフィス要件やスケジュール・予算にも影響を及ぼす為、プロジェクトを円滑に進めるうえでは事前に確認しておきたい部分です。
現状オフィス面積分析
収納量簡易調査
会議室予約率集計
内覧時の定性的な部分の気づきの報告
現状の特徴まとめ
オフィスの課題まとめオフィス移転では、重設備となる施設をオフィス内に設ける場合、通常のオフィス内装とは異なり、導入にあたって専門的な検討が多数発生するため、スケジュール策定時に配慮が必要です。
社員食堂、実験施設、研究施設、大規模なショールームなどの重設備となる施設では、計画初期段階で床荷重、電源容量、給排水などのビルスペックとの整合を確認することや、長納期設備の有無を把握することが必要です。また、専門ベンダーの手配や、それに伴う工事期間への影響も確認が必要です。
重設備を導入する場合は、単純な内装工事とは異なる各種条件整理に必要な期間をあらかじめ想定し、それらを漏れなくスケジュールに盛り込んでおくことが、プロジェクトの遅延を防ぐため重要です。
重設備のイメージ。(参照:明豊FW支援プロジェクト ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社 様 東京ヘッドオフィス移転プロジェクト)オフィスの引越において、単なる人員と荷物の移動ではない特殊な事情がある場合には、あらかじめ対応の整理が必要です。
コールセンターやシステムサービス等、止めることのできない事業がある場合には、事業継続を最優先にした検討が求められ、工事完了後の十分なテスト期間の確保、旧・新オフィスの一時的な同時稼働による冗長化、大型連休を使った移転、あるいは引越期間中の他拠点への一時的なサービス移管といった対応を、事前に検討する必要があります。
移動する社員数や物量が多い、実験機器など特別な機器の移転を伴う、複数の拠点からの集約移転など、特殊事情がある場合は、事前の段取りや詳細な調整が重要となり、社内の担当者は、部門ごとの業務スケジュールを把握し、各工事会社のスケジュールを調整する必要があります。
引越工程表:引越しスケジュールのイメージ。各イベントや各種工事の動きを考慮しながらフロア単位での配線工事・什器搬入・引越し作業をデイリーで可視化する。(参照:明豊FWソリューション)オフィス移転のスケジュール策定をプロに相談するメリットは、発注者側にオフィス移転の専門知識やご経験がなくても、複雑なプロジェクトを可視化し、精度の高いスケジュール計画を立てられる点にあります。
ここまでスケジュール策定のポイントをご紹介しましたが、すべてを実行するには高度な専門知識と多くの調整作業が必要です。発注者の事情に加え、専門家でないと把握が難しいビル側の事情も絡み合うため、プロジェクト推進において、これらすべてを発注者で管理・完結させることは容易ではありません。
下記の図のように、オフィス移転の専門家は、発注者の社内事情とビル側の事情の両方を熟知し、豊富な経験から潜在的なリスクを先読みすることが可能です。構想から引越完了までの流れ全体を見据えたスケジュールを策定・管理することで、スケジュール遅延や予算超過といったリスクを回避し、プロジェクトをスムーズに進めることが可能になります。
明豊ファシリティワークスがスケジュールを策定する際の検討ポイントの一例イメージ。各段階における発注者側・ビル側双方の視点でのリスクや検討ポイントを確実におさえてマネジメントしますオフィスや働き方に詳しく、実績が豊富なオフィス移転PM・コンサル会社に相談することで、複雑なオフィス移転の流れ全体をスムーズに進めることができます。発注者の実態に合わせた実現方法を相談でき、構想・企画フェーズから引っ越し完了まで、さまざまな事例・実績をベースにした実践的なサポートが受けられます。
オフィス移転の流れとスケジュール管理のポイントは以下の通りです。
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